
神奈川県大和市の学びの多様化学校を取材してきました。
令和7年1月25日に開催された第39回神奈川県学校・フリースクール等連携協議会で、大和市教育委員会の青少年相談室長・服部さんがその取り組みを発表されたのですが、その内容に出席者がみなくぎ付けになりました。県内公立初の取り組みで、周囲の理解を得ていくためのご苦労も多いようですが、一方で全国からの視察もひっきりなし。生徒の反応はというと、なんと視察に来た市町村を手作りの大きな地図にマーキングして、「今度はどんなおみやげをもってきてくれるかな〜?」とみんなで楽しみにしているのだそう。これは面白そう!終了後すぐに取材依頼をして、お忙しい合間を縫ってご案内いただきました。
引地台中学校分教室は令和4年に開校しました。不登校特例校として子どもたちを受け入れ、子どもたちのやりたいと思う気持ちに寄り添い、成長を見守るという役割の他に、子どもたちの気持ちを教育現場にフィードバックしたり、多くの学校が抱える問題の解決の糸口を日々探しだしたりする、不登校支援センター的機能としての役割を担っています。不登校を個人ではなく、行政側から模索しているという高い意識を持っていることが感じられました。分教室の先生方は、子どもたちとの距離も近く、一緒に畑を耕したり、放課後活動でバンドに加わり歌ったりと楽しさが伝わってきました。また、自分のやりたいことが見つかったお子さんが生き生きと過ごしている話から、学校に来ることができるようになったお子さんの話まで、そこに優劣はなく、一人一人の成長を「本当にすごく、素晴らしいことです!」と子どもを信じることの大切さを熱く語っていました。
特例校だから、少人数だからできると思われがちなこともあるけれど、ぜひ、こちらに見学に来て、その学校、その地域でしかできないことを発見し、発想をつなぎ、工夫していくきっかけになったらうれしいとおっしゃっていました。
子どもたちの自由な発想を応援し、一緒に学びへ変えていこうとしている先生方の柔軟な対応に私もここに通いたいと思ってしまいました。
また、保護者との関係について、やれる人がやりたいことを子どもや学校のために率先してやってくれることが多く、収穫祭(文化祭のようなもの)への協力やイベント時には、楽しく参加してくれる様子が大変ありがたいと感謝していました。
他人事ではなく、自分事として何が子どもたちのためにできるかという視点でヒントを探しに行ける、素敵なところでした。