ぬるい麦茶は記憶に残る(みどりやままるこ)
写真から着想したものがたりです。
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『猫になったおふくろ』
俺は昔からお袋の作った
肉じゃがが好きだった
じゃがいもはほろほろになっていて
かつおの出汁もきいていて美味かった
牛肉ではないが美味しかった
いつも豚こまだった
いつも作ってくれる肉じゃが
それが大好きだった
大学を出て上京した俺は
おふくろの肉じゃがを食べなくなった
娘と妻でふるさとに帰った時
おふくろは猫になっていた
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『夏休みの計画』
中学の頃 幼馴染のあっちゃんとのんたで
夏休みに冒険することになった
中学生最後の夏休みもあってか
旅の計画も何度も考えた
結果 みんなで海を見ることにした
最近 クラスの女子たちで話題の海だ
話によると夜に海に行くと
綺麗な星空が海に反射してそれはとても綺麗で
まるでおおくのクラゲが海で踊っているようだと
そんな話をあっちゃんとのんたで話していたら
いつの間にか寝てしまっていた
目を開けるとぬるくなっている麦茶 団扇
あと気持ち良さそうに寝ているあっちゃんとのんたがいた
あーあ夏休みなにしようか
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『色褪せた食器棚』
家には色褪せた食器棚があった
なんでもヒィヒィおばあちゃんが
たまたま見た家具屋で買ったのだとか
ある日食器棚から
コップをとりだそうかと思ったら
私は見た
食器棚の奥にきらきらする何かを
コップや皿などを取り出し
そのキラキラする何かを見たら
そこは南の島だった
(文:みどりやままるこ 写真:ほかむらかすみ)
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写真の奥に本当にこんな世界が広がっているのかもしれない、とも感じました。
不思議で心地の良いお湯に浸かっているような世界、また作品ができたら教えて欲しいです!
キミイロ事務局 ゆきんこ
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